歯や、歯肉の近い部分に付着した歯垢(プラーク)の中にひそんでいる細菌が、酵素や毒素を発生し、歯の周囲を侵していく病気です。歯ぐきや歯を支えている骨を破壊します。 歯周病は進行がゆっくりしているので自覚症状が少なく、かなり進行しても気付かない人が少なくありません。歯がグラグラしたり、出血したりして初めて気付く場合がほとんどで、歯が抜け落ちてしまうほど重症化する場合もあります。
歯周病は糖尿病、脳梗塞、肺炎、早産、心筋梗塞、動脈硬化などを引き起こすといわれています。妊娠中はホルモンバランスがくずれるため、妊婦さんは歯周病リスクにご注意ください。
歯周病を予防するには、細菌の住み家となっている歯垢を取り除く「定期的な予防措置」が第一です(プラークコントロール)。歯磨きが十分にできていない場所に悪玉菌が覆いかぶさると、歯石の原因となる「バイオフィルム」が形成されます。歯石になる前に、バイオフィルムを除去することがプラークコントロールのポイントです。バイオフィルムを除去するには、デンタルフロスと歯ブラシを併用して歯垢を取り除くことです。
専門技術を持った衛生士によるスケーリング(歯石除去)を行うほか、さらに重度な場合には歯肉を切開して歯の根元を露出させて歯石を除去する歯周外科処置(フラップ手術)を行う場合もあります。当院では、重度の歯周病患者さまにはリグロス(歯周組織再生療法)に対応しています。リグロスは健康保険適応の歯を支える歯周組織の再生療法です。重度の歯周病でも抜歯をせずに治療できる可能性があります。
バイオフィルムは、できるまで3~4カ月かかります。ですから数カ月に1回のクリーニングを行うことで、歯周病は大幅に予防することができます。当院では、歯周病予防大国であるスウェーデン方式の「PMTCクリーニング」を導入。リスク部位を徹底的に清掃し、歯周病を予防します。